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国人(こくじん)

国衆(くにしゅう)・国民とも。中世後期,在地に経営基盤をもち,村落を支配した領主。地侍・土豪層と異なり,鎌倉時代の地頭領主クラスの系譜をもち,村落共同体の規制をあまりうけない。この言葉は鎌倉時代から用いられるが,14世紀中期から独自の社会勢力となる。本拠地付近に一円的に所領を集中させ,荘園代官職などの請負や検地も行った。流通経済の発展とともに,交通・流通の要衝近くに居館をおき,六斎市など地域の定期市を掌握し,一部の手工業者を直接支配した。国人領主間の地縁的結合である国人一揆を結び,多数決制を導入し,上級領主への抵抗や人返(ひとがえし)など個別支配の強化に役立てた。戦国期には独自の家臣団を編成し,一部は戦国大名となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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