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五経博士(ごきょうはかせ)

儒教経典である「詩経」「尚書」「易経」「春秋」「礼記(らいき)」の五経を講じることを職務とする者。中国では五経の書目に違いがあるが,前漢の武帝がはじめておき,政治顧問としての役割をはたした。五経博士の制は南朝から百済(くだら)に入り,百済から6世紀の大和朝廷に段楊爾(だんように)・漢高安茂(あやのこうあんも)・王柳貴(おうりゅうき)らの五経博士が交代で派遣された。日本での具体的活躍は不明である。漢の五経博士や7世紀日本の国博士のように政治顧問の役割をはたしたのかわからないが,日本の支配者層に儒教が浸透していったことは想像される。おそらく儒教は彼らによって前代より体系的なかたちで日本に伝えられたであろう。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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