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雇役(こえき)

律令制下で,中央での造宮や造寺のため人夫に功直(こうちょく)と食料を与えて使役すること。国郡司を通して強制的に徴発する。令制は10日間の歳役を規定しているが,実際はすべて庸で納め,それを功直と食料にあてる雇役制が大宝令で開始され,平城京・平安京などは雇役で造営された。都に近い畿内の負担が重いが,大造営の際は畿外諸国も番を作って雇役にあたった。功直は銭貨で支給するのが一般的で,律令国家の銭貨発行の必要性も雇役制の採用にあった。他に強制でなく状況に応じて賃金を定める和雇(わこ)の方式も,官司の労働力調達手段として律令制下に広く行われ,正倉院文書からそのようすが知られる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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