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鴻池家(こうのいけけ)

近世以来の大坂の豪商。始祖新右衛門が始めた酒造・金融業などを基礎とし,その子孫や奉公人が善右衛門本家のほかに分家・別家をたて,巨大な同族集団を形成した。有力分家としては,新右衛門の次男・三男に始まる栄三郎・新十郎家,4代善右衛門の娘夫婦がおこした善五郎家など。著名な別家には,善右衛門家から独立した有力な両替商中原庄兵衛家や町人学者を出した草間伊助家がある。分家・別家は本家との関係や業種などにそれぞれ特色があるが,金融業へのかかわりは共通した。明治維新後の大名貸債権切捨てにより打撃をうけたが,1877年(明治10)10代善右衛門幸富が第十三国立銀行(のち鴻池銀行をへて三和銀行,現在は三菱東京UFJ銀行に合併)を設立,これに加わった者も多い。しかし,他の財閥ほどには積極的経営を進めなかったため,第2次世界大戦後は影を薄くしていった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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