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皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん)

本朝十二銭とも。和同開珎(わどうかいちん)から乾元(けんげん)大宝に至る律令国家が発行した12種類の銅銭の総称。和同開珎・万年(まんねん)通宝・神功(じんごう)開宝・隆平(りゅうへい)永宝・富寿(ふじゅ)神宝・承和(じょうわ)昌宝・長年(ちょうねん)大宝・饒益(にょうやく)神宝・貞観(じょうがん)永宝・寛平(かんぴょう)大宝・延喜通宝・乾元大宝の12種。私鋳銭の横行と貨幣価値の下落に対処するため,改鋳がくり返された。奈良時代の3種は銅を8割ほど含む比較的良質のものであったが,隆平永宝以降は改鋳のたびに品質が劣化し,銅と鉛を同量含むほどになり,形状も小型軽量化した。乾元大宝の発行を最後に国家の貨幣鋳造が断絶したのちは,平安末期に宋銭が流入するまで,交換手段として銭貨を用いない時代が続いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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