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郷帳(ごうちょう)

江戸時代,幕府による国絵図作成事業の際,同時に作成された村名・村高を記載した帳簿。郷村高帳の略。原則として1国1冊作られた。江戸幕府は,慶長・正保・元禄・天保期の4度,国絵図・郷帳を作成したが,慶長のものは御前帳とよばれる。正保郷帳は,1644年(正保元)各国1人ないし数人の大名に作成が命じられ,村高のほかに田畑の内訳,新田の有無,干損・水損の別,山林の種別など元禄・天保郷帳に比べて詳しい記載が求められた。元禄郷帳は,97年(元禄10)諸大名に作成が命じられ,1702年までに提出された。天保郷帳は,幕府勘定所が直接作成にあたり,1831年(天保2)開始,34年に完成した。元禄・天保両郷帳の記載形式は,正保郷帳に比べ簡略である。元禄郷帳の石高が表高であるのに対し,天保郷帳では新田高などを含めた実高が記載された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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