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工場制手工業(こうじょうせいしゅこうぎょう)

マニュファクチュアManufactureの訳語。機械制大工業以前の産業資本の生産形態。作業場に非家族労働者を集め,道具を用いて分業にもとづく協業を行う。イギリスでは16世紀半ば~18世紀半ばに工場制手工業が発達したが,マルクスはこの時代を,産業革命ののちも機械制大工業の生みだす相対的過剰人口を基盤に存在した「近代的マニュファクチュア」と対比して,「本来的なマニュファクチュア時代」とよんだ。日本でも幕末期までに,酒造業・金属精錬業・綿織物業などで工場制手工業が存在したが,開港後の資本主義化の前提として「マニュ段階」が存在したのかどうかは,長年論争の的とされてきた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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