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江家次第(ごうけしだい)

平安後期の儀式書。大江匡房(まさふさ)撰。本来は21巻あったが,巻16・21は散逸し,現存するのは19巻。最も形式が整備された儀式書といえる。「中外抄」「古事談」によると,匡房が関白藤原師通(もろみち)の依頼によってまとめたとされる。本文・割注は後人の改定がほとんどなく,匡房の撰んだ原文が残されている。内容は,朝廷における年中行事,臨時の仏事・神事,即位,政務のほか,摂関家などの行事も含む一方,朝賀の記述を欠くなど,院政期における儀式の変化を示している。後世,朝儀の手本とされ,注釈書に一条兼良(かねよし)の「江次第鈔」がある。古写本は比較的少ない。「新訂増補故実叢書」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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