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郷学(ごうがく)

郷校とも。江戸~明治初期の教育機関の一つ。江戸初期の岡山藩の閑谷(しずたに)学校,1717年(享保2)設立の摂津国平野郷の含翠(がんすい)堂などが著名。設立が盛んになるのは19世紀に入ってからで,明治初年にも多数創立された。郷学の性格は多様で,藩校の分校的存在,藩営による庶民教育機関,庶民の組合的組織による地方学校の3種に大別できる。教育史的に注目されるのは,幕末・維新期に爆発的に増えた3番目の地方学校で,明治期の小学校の短期間での多数設立の一母体となったとされる。ただしこの種の郷学も性格・教育内容は地域によって多様で,分布度に濃淡も多く,いまだ未解明の領域である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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