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交易雑物(こうえきぞうもつ)

古代に諸国が正税(しょうぜい)で購入して進上する物品。8世紀前半の天平年間に郡稲が正税に混合されると,中央で必要な品を国衙(こくが)の正税で交易して進上させるようになり,諸国正税帳に多くの記事が残っている。8世紀後半~9世紀前半に交易雑物制は拡大し,延喜民部式に各国の毎年の品目・数量を規定しているが,調の総量の2割強にも及ぶ。交易制は調庸制と2本立てで,調庸で納入されない必要物品を調達する質的な補完制度といえるが,「延喜式」には絹・布など調庸と同じ品目も含まれ,中央政府の需要と調庸による貢納との量的な差を補填する面もあった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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