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軍閥(ぐんばつ)

日本では明治後期~昭和前期に二つの意味で使われた。(1)軍事力を背景に,政府・元老・重臣・政党・官僚・財閥に対抗する権力主体となった陸海軍上層部の呼称。明治憲法第11条による統帥権独立,軍部大臣現役制など閉鎖的で団結強固な武力集団として最終的に軍部独裁体制にまでいたった。軍閥という語は「中央公論」1919年(大正8)4月号の三宅雪嶺の論文,「改造」26年5月号の巻頭言などで使用された。昭和期のジャーナリズムではほとんどが軍部を使用した。(2)陸軍内の派閥が政治行動を行うときの呼称。建軍以来,陸軍主流派の長州閥に対して反長州閥が大正末期に台頭し,31年(昭和6)頃からは統制派と皇道派が対立,政策・人事をめぐる抗争のとき相手の派閥を軍閥とよんだ。「軍閥重臣閥の大逆不逞」と題した怪文書のように,非合法文書で用いられたのみで公には使用されなかった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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