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熊沢蕃山(くまざわばんざん)

生没 1619~91.8.17 江戸前期の儒学者。父は牢人野尻一利。名は伯継(のりつぐ),字は了介,通称左七郎のち次郎八・助右衛門,号は息游軒。隠居後,知行地蕃山(しげやま)(現,岡山県備前市)の名をとり蕃山了介と称した。京都生れ。8歳で母方の祖父,水戸藩士熊沢守久の養子となり,16歳で岡山藩主池田光政に仕えた。一時職を辞して中江藤樹の門に学ぶが岡山藩に戻り,光政の信任を得て花畠教場の中心となって活動した。1654年(承応3)の旱魃(かんばつ)・大洪水に続く飢饉では光政を助けて救民に尽力した。しかし名声があがるにともない,幕府や藩内外の中傷をうけ39歳で隠居。晩年,幕府に対する意見書「大学或問(わくもん)」で禁錮に処され,下総国古河で没。著書はほかに「集義和書」「集義外書」。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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