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公方(くぼう)

中世に,将軍・幕府,天皇・朝廷,守護,荘園領主などを,それらに比較して私的とみなされるものと区別していう言葉。鎌倉後期,「御内(みうち)」に対して「公方」を用いる場合,(1)将軍個人をさし,得宗(とくそう)勢力に対し将軍がより上位にあることを示すため,安達泰盛の主導で使用されるようになったとする説と,(2)得宗をさし,幕府の公的側面に関与するようになった得宗が,その公的権限を行使する際に使用されるようになったとする説がある。室町時代には,将軍とともに鎌倉御所およびその後身である古河・堀越の御所も「公方」といい,近世では,将軍または将軍家をいった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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