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国造(くにのみやつこ)

大和政権の地方支配機構。多くは各地域の有力首長を任命し,臣(おみ)・連(むらじ)・君(きみ)・公・直(あたい)などのカバネを与えた。「国の御奴(みやつこ)」と意識され,さまざまな面で大和政権の人的・物的収取を支えた。とくに東国の国造には某部を称する例が多く,国造は部民の管理にあずかり,また領内に設けられた屯倉(みやけ)の経営をも行ったとする説がある。出雲国造の杵築(きづき)大社奉斎のように,各地域の有力な神を奉祀し,祭祀面でも国内を統轄したといわれ,国造軍が外征に活躍し,紀国造が外交に従事した例など,大和政権の役割分担にもあずかった。「隋書」倭国伝にみえる軍尼(くに)を国造と解すると,7世紀初めには120人いて支配機構としての体制が整っていたと思われる。大化の改新で国造は郡領(評造(ひょうぞう))となり,律令制下でも出雲・紀伊国以外は動向不明であるが,地方支配,とくに神祇祭祀の面で引続きその役割をはたした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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