1. 用語
  2. 日本史 -く-
  3. 国地頭(くにじとう)

国地頭(くにじとう)

鎌倉幕府草創期に国ごとにおかれたとされる地頭。1185年(文治元)末,源頼朝が源義経・同行家の追捕(ついぶ)を目的に,その設置を朝廷に要求し認められたもの。その国の荘園・公領を問わず,段別5升の兵粮米を徴収する権利をもち,同時に賦課の対象となる田地に対して検注権を含む支配権を行使した。紀伊を含む7カ国の北条時政,播磨・美作両国の梶原景時,備前・備中・備後諸国の土肥実平・同遠平,伊賀国の大内惟義,九州諸国の天野遠景などが国地頭に推定されている。しかし時政が86年3月に辞退するなど,国地頭制は早く衰退し,その実態については不明な点が多い。近年,国地頭の存在そのものを否定する見解もでている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう