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クナシリ・メナシの蜂起(クナシリ・メナシのほうき)

1789年(寛政元)5月,クナシリ(国後)・メナシ(目梨)地方でおきたアイヌの蜂起。この地域は飛騨屋久兵衛の請負場所であったが,蜂起の原因は苛酷な漁場労働や出稼ぎ番人たちによる慣習を無視した横暴であった。アイヌ130人が参加し,場所の支配人・番人・稼方の者,飛騨屋手船の船頭・水主(かこ),および松前藩上乗役人の計71人を襲って殺害した。松前藩は鎮圧隊を根室半島のノッカマップに陣取らせ,国後のツキノエ,ノッカマップのションコ,厚岸(あっけし)のイコトイらの協力をえて蜂起参加者を投降させた。37人のアイヌが和人を殺したかどで処刑された。この蜂起はロシアの南下を危惧する幕府に衝撃を与え,蝦夷地幕領化への契機となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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