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口留番所(くちどめばんしょ)

江戸時代,諸藩が藩境や水陸交通の要地に設置した,関所に類する施設。たんに番所ともいい,幕府の関所に対抗して関所と称することもある。幕府が武家諸法度で諸藩による関所設置を禁止したため,多くの藩では実質的には関所的機能を有する口留番所を設け,藩境の警備のため旅人の出入りや物資の領外移出を監視した。はじめは軍事的緊張から前者に重点があったが,やがて後者の経済的機能が重視されるようになった。東北・北陸・九州地方の外様藩領で多く設置されたが,譜代藩が設置したものもあり,幕府も甲斐・飛騨両国に多く設置している。幕府が脇往還に設置した小規模な関所(脇関)を口留番所ともいう。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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