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公出挙(くすいこ)

律令制下,雑税として機能した国家による稲の貸借制度。諸国の郡衙に蓄えられた穎稲(えいとう)を,春・夏の2回強制的に貸し付け,秋の収穫後に5割(のちに3割に軽減)の利稲とともに元本を回収した。起源については,備荒や種籾の分与という共同体の再生産機能に求める考え方と,営料の下賜とみて共同体の支配を打破する新しいミヤケ制の支配に求める考え方がある。8世紀末以降,調庸にかわって正税への財政的依存が高まるなか,土地に対する賦課に転化した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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