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郡上一揆(ぐじょういっき)

美濃国郡上藩でおきた1677~83年(延宝5~天和3)の延宝一揆と,1754~58年(宝暦4~8)の宝暦一揆の総称。延宝一揆は年貢増徴策への反対運動に端を発し,やがて藩内を二分する家中騒動に発展。農民側についた家老の暗殺阻止に百姓が城下に集結する事件などが発生。また江戸藩邸へも出訴した。1683年両派の家臣が処罰されて決着。宝暦一揆は検見取(けみどり)への移行に対して百姓が城下強訴や老中駕籠訴・評定所箱訴などを繰り広げた闘争。これに白山中居(ちゅうきょ)神社の神職(白川派と吉田派)間の対立した石徹白(いとしろ)騒動が重なり,責任を問われた藩主金森家は除封され,さらに老中本多正珍(まさよし)などの処罰をひきおこした。途中百姓が最後まで一揆を闘うとした立者(たてもの)と一揆から脱落した寝者(ねもの)に分裂,後々まで影響を与えた。石徹白騒動は藩によって500人余が追放され,餓死者70人余を出した。一揆後きびしい隠田の摘発が行われた。義民に前谷(まえたに)村定次郎・歩岐島(ほきじま)村四郎左衛門などがいる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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