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公事方御定書(くじかたおさだめがき)

江戸幕府の,主として庶民を対象とする基本法典。2巻。明律・清律など中国法の影響をうけて8代将軍徳川吉宗が編纂を計画・推進した。上巻は重要法令を収めた法令集,下巻は判例・取決めなどからなる判例法・法曹法。実質的な編纂事業が開始されたのは元文年間で,牧野貞通・石河政朝・水野忠伸,のちには大岡忠相(ただすけ)ら三奉行クラスらが編纂にあたった。1742年(寛保2)に完成したが,その後も「追加」の名で引き続き改訂され,54年(宝暦4)上巻81条,下巻103条からなる法文が最終的に確定した。下巻は俗に「御定書百箇条」ともいう。1841年(天保12)勘定奉行所は「棠蔭(とういん)秘鑑」とよばれる本書の校正本を作成した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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