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空海(くうかい)

生没 774~835.3.21 弘法大師・遍照金剛とも。平安前期の真言宗開祖。讃岐国多度郡屏風浦(びょうぶがうら)の佐伯直田公(さえきのあたいたきみ)の子。上京して大学などで経史・文章を学んだが,まもなく仏教に開眼。阿波国大滝山・土佐国室戸崎などで修行するうち「大日経」に出会って密教を奉ずるに至った。得度受戒後,804年(延暦23)遣唐使に従い入唐。長安青竜寺の恵果(けいか)から「大日経」による胎蔵界と「金剛頂経」による金剛界を両翼とする密教を受法し,806年(大同元)帰朝。以後おもに高雄山寺(現,神護寺)に住し,最澄とも交流したがのち決別。816年(弘仁7)高野山開創に着手,822年東大寺南院に灌頂(かんじょう)道場を設立,翌年東寺(教王護国寺)を賜り真言密教専修の寺とした。この頃から多くの公的修法を行い,824年(天長元)少僧都(そうず)に,827年大僧都になる。翌年綜芸種智院(しゅげいしゅちいん)を創始。832年頃からは高野山に隠棲しつつ,後七日御修法(ごしちにちのみしほ)・真言宗年分度者を創設させ,真言宗の基盤をほぼ完成した。漢詩文にも優れ,書道では三筆の1人とされた。著述は密教文化研究所編「弘法大師全集」,勝又俊教編「弘法大師著作全集」,書は「弘法大師真蹟集成」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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