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万歳(まんざい)

門付(かどづけ)による祝福芸能の一つ。古代の予祝歌舞の歌垣(うたがき)に結びついた,足で拍子をとって歌う中国伝来の踏歌(とうか)からでたとされる。神の来臨にみたてて初春に各家を訪問し,家業の隆盛と家長の長寿の祝言を唱えたり,滑稽な所作の曲舞(くせまい)を舞う。中世には特定の村々に居住する陰陽師(おんみょうじ)配下の声聞師(しょうもじ)が,千秋(せんず)万歳と称して禁裏や諸家を祝福に歩いた。今日に命脈を保っているものに,三河・尾張・越前・加賀・会津・秋田・伊予の万歳がある。近世には三河万歳が出身が同じ徳川家の保護をうけ,尾張万歳が大名家,大和万歳が御所や公家とそれぞれ親密な関係をもった。昭和初期に話芸中心の寄席芸の漫才が,伝統的な万歳の形態を部分的に継承して登場した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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