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マルクス主義(マルクスしゅぎ)

ドイツのカール・マルクスが,ドイツ観念論哲学・イギリス古典派経済学・フランス社会主義思想を批判的に継承して主張した,資本主義を否定し共産主義を展望する学説・思想。日本には堺利彦の雑誌「社会主義研究」(1906創刊)などによって紹介された。ロシア革命の成功は,その正しさの証として知識人などにうけとめられ,1922年(大正11)には非合法に日本共産党が結成された。30年(昭和5)前後には,日本の現状把握と革命の展望とをめぐって,同じくマルクス主義を唱える講座派と労農派が論争をくり広げ,学問・文化に大きな影響を与えたが,第2次大戦の戦時体制強化にともなって窒息させられていった。戦後,言論の自由が保障されると,社会運動・学問・文化への影響は一時大きくなったが,社会主義諸国が崩壊し,また資本主義が新たな発展を示すなかで影響力は低下し,その解釈も多様化してきている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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