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前野良沢(まえのりょうたく)

生没 1723~1803.10.17 江戸中期の蘭学者・蘭方医。名は熹(よみす),号は楽山また蘭化。古方医の伯父宮田全沢に感化をうけた。青木昆陽(こんよう)にオランダ語を学び長崎へ遊学,オランダ通詞に学び蘭書を購入して帰府。1771年(明和8)3月4日江戸千住小塚原で腑分(ふわけ)を観察,「ターヘル・アナトミア」の正確さに驚嘆,翌日から築地鉄砲洲の中津藩邸内良沢の宿所で,杉田玄白(げんぱく)・中川淳庵らと会読を開始。オランダ語の教授と翻訳の主力となった。その成果が74年(安永3)に公刊された「解体新書」だが,良沢は自分の名の掲載を拒絶した。訳著に「蘭語随筆」「字学小成」「和蘭訳文略」「和蘭訳筌」「和蘭点画例考補」など語学書をはじめ,世界地理・築城書がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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