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前田氏(まえだし)

近世の大名家。菅原姓を称したが,詳細は不明。戦国末期,尾張国愛知郡荒子村(現,名古屋市中川区)の土豪だった前田利昌の子利家が織田信長に仕え,軍功により1575年(天正3)越前国府中に3万3000石を与えられた。のち豊臣秀吉に臣従し,子利長が関ケ原の戦で徳川家康方につくなどして領地を拡大。江戸初期には加賀・能登・越中3カ国,総計119万石余を領有する大大名となった。その後,家督を継いだ弟の利常は次男利次に越中国富山藩10万石,三男利治に加賀国大聖寺(だいしょうじ)藩7万石を分知。ほかに利家の五男利孝を祖とする上野国七日市藩がある。本家は加賀国金沢を城下とする102万石余の藩主家として,利家から数えて14代慶寧(よしやす)まで続いた。維新後,本家は侯爵,分家は伯爵・子爵。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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