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民部省(みんぶしょう)

�@大宝・養老令制の官司。八省の一つ。主計・主税寮を被管にもち,戸籍・計帳により諸国の人民を,田図・田籍により田地などの土地を把握し,これにもとづき国家財政を担った。主計寮とともに,計帳により把握された毎年の課口数にもとづき,諸国からの貢納物納入への立会いや調庸帳などの帳簿による監査を行い,主税寮とともに,正税帳や租帳などを通じて田租や正税などの諸国の財政を掌握した。諸国からの貢納物や帳簿の進上に問題がなければ返抄(受領証)を発行した。ほかにも諸国から庸として納入される米・塩を保管し,仕丁(しちょう)や衛士(えじ)の資養にあて,中央での労役を差配した。�A明治初年の国内の民政を担当した中央行政官庁。1869年(明治2)4月に設置した民部官を,同年7月職員令の制定により民部省と改称。府県事務・戸籍・駅逓・橋道・水利・物産などを管轄。初代民部卿は松平慶永(よしなが)。8月大蔵省と合併。70年7月再び分離したが,71年7月廃省となり,所管の事務は大蔵省と工部省にひきつがれた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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