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屯倉(みやけ)

大和政権の支配機構の一つ。6世紀以前に畿内に設定された屯倉を前期屯倉とし,527年磐井(いわい)の乱後におかれた糟屋(かすや)屯倉を初見に,畿外に設定された屯倉を後期屯倉とする見方が有力。前期屯倉は大王によって開発された直轄領的性格をもち,律令制下の畿内官田につながる。この屯倉の成立時期を7世紀初めの推古朝とする見解もある。後期屯倉は国造(くにのみやつこ)の領域内に設定され,大和政権の勢力を浸透させていく機能をはたしたといわれ,吉備白猪(しらい)屯倉での戸籍作成など,律令制的地方支配の前提をなしたとされる。ただし畿外の屯倉が土地の支配をともなったか否かには議論があり,屯倉は政治的な拠点支配であるという見方もある。また屯倉を地域的な支配とみるか否かで,律令制との関係も再検討が必要である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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