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美濃国(みののくに)

東山道の国。現在の岐阜県南部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では多芸(たき)・石津・安八(あはちま)・不破(ふわ)・池田・大野・本巣・席田(むしろだ)・方県(かたがた)・厚見・各務(かがみ)・山県(やまがた)・武芸(むげ)・郡上(ぐじょう)・賀茂・可児(かに)・土岐(とき)・恵奈(えな)の18郡からなる。国府は不破郡(現,垂井町),国分寺も不破郡(現,大垣市),国分尼寺も不破郡(現,垂井町)におかれた。一宮は南宮神社(現,垂井町)。「和名抄」所載田数は1万4823町余。「延喜式」では調として布帛のほか甕・壺など多くの焼物があり,中男作物として紙・漆など。国名表記は7世紀には三野,大宝律令施行頃から御野,和銅初年から美濃とされた。令制三関の一つ不破関を管理する関国で,789年(延暦8)に三関が廃止されるまでは大国であったと推定される。平安後期には美濃源氏が勢力を張った。南北朝期以降,美濃源氏の土岐氏が守護となる。江戸時代は多くの藩が成立・消滅し,旗本領もほぼ70家あり,幕領も存在した。1868年(明治元)幕領は笠松県となる。71年の廃藩置県の後,岐阜県に統合された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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