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水俣病(みなまたびょう)

新日本窒素肥料(現,チッソ)の熊本県水俣工場のアセトアルデヒド製造工程からたれ流されたメチル水銀で汚染された魚介類を食べた住民がかかったメチル水銀中毒症。中枢神経系が冒され,臓器や全身にも症状が現れる。1956年(昭和31)最初の患者が発見され,同年11月熊本大学医学部は工場排水が原因と報告したが,会社も国も否定,68年9月ようやく国は公害病と認定。69年6月患者の一部はチッソに損害賠償を請求して熊本地裁に提訴,73年3月原告勝訴の判決が出された(1次訴訟)。1965年新潟県でも発生を確認。2013年(平成25)5月末の認定患者数は2977人(うち新潟水俣病は702人),生存者は646人(同186人)。患者救済をめぐっては,10年に特別措置法が制定されたが,いまだ解決していない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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