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水戸藩(みとはん)

常陸国水戸(現,茨城県水戸市)を城地とする大藩。御三家の一つ。近世初頭は佐竹氏の所領。1602年(慶長7)の同氏転封後,徳川家康の五男信吉,十男頼将(頼宣)が相次いで入封したのち,09年十一男頼房が25万石で入封。以後11代にわたる。22年(元和8)3万石加増。1701年(元禄14)新田分を加えて35万石となる。藩領は常陸国7郡内と下野国那須郡内。名古屋藩・和歌山藩とともに幕政の諮問に応じた。定府制で,御手伝普請も免除された。2代藩主光圀(みつくに)は「大日本史」の編纂など文化政策に力を注ぎ,学問の振興に大きな役割をはたした。3代綱条(つなえだ)のとき財政難に対処するため,牢人松波勘十郎を登用して宝永の新法を実施したが,全藩一揆が発生して挫折。9代斉昭は,会沢正志斎(せいしさい)・藤田東湖らを中心に藩内の天保改革を推進。海岸防備の充実・氏子制の導入・農村復興などの諸政策を実施した。幕末期には将軍継嗣問題や条約勅許問題に深く関与し,天狗党と諸生党の対立など深刻な藩内抗争が発生,桜田門外の変,天狗党の乱などをひきおこした。詰席は大廊下。藩校弘道館。支藩は額田(ぬかた)藩(守山藩・松川藩)・府中藩・宍戸(ししど)藩。廃藩後は水戸県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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