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密教美術(みっきょうびじゅつ)

密教経典あるいは密教的教説にもとづいて制作された絵画・彫刻・工芸などの美術をさす。代表的なものとしては両界曼荼羅(まんだら)をはじめとする曼荼羅,変化観音などの多面多臂(ためんたひ)像,不動明王などの明王像などがある。また修法効果を高めるために相承(そうしょう)と修法儀式を重視することから,曼荼羅や尊像の表現上の諸約束が厳密に定められ,図像の制作・転写が行われた。奈良時代にすでに不空羂索(ふくうけんじゃく)観音など密教像は造られたが,空海が唐から本格的な密教(純粋密教すなわち純密とよび,空海以前の密教を雑部密教・雑密という)を請来してから,平安時代に密教美術は隆盛をみた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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