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水鏡(みずかがみ)

神武天皇から仁明天皇までの歴史を綴った歴史物語。四鏡の一つ。作者には,中山忠親・源雅頼をあてる説がある。鎌倉初期の成立か。「大鏡」にならった体裁をとり,厄年に大和の竜蓋寺に参り,長谷寺に参籠する老尼が,出会った若い修行者から葛城山中の仙人が語ったことを聞いたとしている。内容はほとんど「扶桑略記」からの抜粋で,信頼できない記事や誤りが多く,四鏡のなかでも水準は低い。伝本には,高田専修寺本系(流布本)と尊経閣本(異本)の2系列がある。古写本は多く,鎌倉時代の写本には専修寺本(鎌倉中期,重文)・真福寺本(巻下のみ,異本)がある。「新訂増補国史大系」「岩波文庫」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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