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三河国(みかわのくに)

東海道の国。現在の愛知県南東部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では碧海(あおみ)・賀茂・額田(ぬかた)・幡豆(はず)・宝飯(ほい)・設楽(したら)・八名(やな)・渥美(あつみ)の8郡からなる。国府・国分寺・国分尼寺は宝飯郡(現,豊川市)におかれた。一宮は砥鹿(とが)神社(現,豊川市一宮町)。「和名抄」所載田数は6820町余。「延喜式」には調として羅・糸などのほかに,魚介類を定める。鎌倉時代には足利氏が守護をつとめ,守護所が矢作(やはぎ)(現,岡崎市)におかれて一族が土着し,鎌倉倒幕や室町幕府確立の基盤となった。室町時代には幕府の要職を占めた一色氏や細川氏が任じられた。戦国期には松平氏が台頭したが,駿河国の今川義元の勢力拡大にともないその支配下に入り,桶狭間(おけはざま)の戦ののち徳川家康が国内を平定,支配を確立した。戦国期に木綿栽培が普及し,近世を通じて特産品となる。江戸時代は譜代大名が配置され,ほかに幕領・旗本領・寺社領があった。1871年(明治4)の廃藩置県の後,額田県に統合され,72年愛知県に併合された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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