1. 用語
  2. 日本史 -も-
  3. 問注所(もんちゅうじょ)

問注所(もんちゅうじょ)

鎌倉・室町両幕府の機関。(1)鎌倉幕府では,訴訟当事者の審問と記録を行う場として設置された。当初は審問の記録を将軍に上申したが,3代将軍源実朝の頃には判決草案である問注所勘状(かんじょう)を作成するようになり,政所(まんどころ)と並ぶ鎌倉幕府の二大訴訟処理機関として機能した。1249年(建長元)引付の設置により御家人訴訟は移管されたが,東国の雑務沙汰が管轄となり幕府滅亡まで続く。所務賦(しょむくばり)などの訴訟受理機関も問注所内におかれた。(2)室町幕府では,しだいに訴訟処理より文書記録の保存管理がおもな機能となり,中期以降は訴訟処理機関としての機能を停止し,文書記録を保持する執事(しつじ)家の当主の呼称として用いられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう