1. 用語
  2. 日本史 -も-
  3. 森戸事件(もりとじけん)

森戸事件(もりとじけん)

大正期の学問・思想の自由弾圧事件。1920年(大正9)1月,東京帝国大学経済学部の「経済学研究」創刊号に掲載の,森戸辰男助教授の論文「クロポトキンの社会思想の研究」が新聞紙法の朝憲紊乱(ちょうけんぶんらん)容疑で,森戸と雑誌発行編集人の大内兵衛(ひょうえ)が起訴された。右翼の森戸攻撃に弾圧を予想した文部省と大学は雑誌を回収,廃棄するとともに,森戸・大内を休職処分にし,森戸の留学資格も取り消し,事態の収拾をはかった。しかし起訴され,同年10月大審院の上告棄却で,森戸の禁錮3カ月・罰金70円が確定した。大学を追われた森戸は大原社会問題研究所に移った。大内は禁錮1カ月・罰金20円・執行猶予1年で失官した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう