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物部(もののべ)

古代,物部連(むらじ)に統率され軍事・警察・刑罰に従事した部民とするのが通説。「もののふ」と読んで武人一般をさすこともある。律令時代には諸国に多数の物部姓の人々がおり,物部郷(里)も20に及ぶ。6世紀に滅びた物部氏の部民がこれほど多かったかは疑問で,また部民であったとしても多くはふつうの農民で,中央の物部氏とそれに従う武人たちの経済的基盤になっていたとみるべきであろう。律令制下では刑部(ぎょうぶ)省の囚獄司に伴部(ともべ)である物部40人が所属して罪人の刑罰を担当し,そのもとに仕丁から選ばれた物部丁20人が武器を帯して獄を守った。衛門府にも内の物部30人がおり,東市・西市には各20人の物部が属して非違(ひい)を禁察した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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