1. 用語
  2. 日本史 -な-
  3. 南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)

南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)

1772年(安永元)から鋳造・発行された上質の二朱銀。南鐐は上質銀を意味し,品位は98%前後。一般に72年発行の二朱銀をさすが,二朱銀は文政期・安政期に改鋳され,とくに文政二朱銀は品位は不変だったので,文政二朱銀までを含める場合も多い。初鋳時の通用銀品位が46%だったのに対し,上銀であることを強調し,南鐐が付加されたらしい。金貨本位制度を意図する幕府が金代わり通用の銀貨としてはじめて発行したもので,当初は額面相当の含有素材価値の低さから流通が滞ったが,小額貨幣の便利さからこの種の計数銀貨は流通貨幣の主流となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう