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南洋群島(なんようぐんとう)

太平洋西部の赤道以北,マリアナ,マーシャル,カロリンの3諸島からなる。スペイン,ドイツの統治をへて,第1次大戦後のベルサイユ条約で日本の国際連盟委任統治領となり,南洋委任統治領とよばれた。南洋庁の下でサイパン,ヤルート,ポナペ,トラック,ヤップ,パラオの6行政地区にわけられた。統治の特色は経済開発にあり,労働力の80~85%まで日本移民に依存。1944年(昭和19)には総人口約12万8000人中,日本人は約7万8000人。原住民人口をこす日本人移民により島社会の近代化や文化変容が急激に進んだ。おもな経済活動は,製糖の南洋興発,商取引の南洋貿易,島民徴用の官営燐(りん)鉱所による。日本は国際連盟脱退後も統治を継続し,海軍戦略基地として利用。太平洋戦争中は激戦地となった島が少なくない。戦後はアメリカに国際連合の信託統治権が委譲されたが,現在は北マリアナ諸島がアメリカの自治領となっているほか,マーシャル諸島共和国・ミクロネシア連邦・パラオ共和国として独立している。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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