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南蛮文化(なんばんぶんか)

16~17世紀にポルトガル,スペインなど南欧カトリック教国民との交流により,日本に伝来した異国風文化。宗教・思想・言語から,天文・地理・医療・機械など自然科学や技術,美術工芸などの芸術,服飾・飲食・行事などの風俗習慣に及ぶ。ポルトガルとイエズス会が大きな役割をはたし,カトリックの典礼や儀式とともに日本社会に普及した。ただし,これらの文物は江戸幕府の禁教政策のため,ごく少数の秘匿された宗教画や手工芸品,キリシタン版の典籍などが伝存するにすぎない。このほか貿易や日常的交流により受容された世俗文化として,銃砲などの技術や服装・料理・外来語などの生活文化に多くの要素が認められる。このなかには伝来の過程でアラブやアジア世界の土着文化と混淆したもの,日本社会で変容したものも少なくない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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