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名古屋藩(なごやはん)

尾張藩とも。尾張国名古屋(現,名古屋市)を城地とする大藩。御三家の筆頭。1607年(慶長12)清洲藩主である徳川家康の四男松平忠吉が没し,代わって九男徳川義直が尾張一国に封じられ,10年名古屋に城地を移して成立。以後16代にわたる。所領高は数度の加増で表高61万9500石余となり,地域は尾張一国のほかに美濃・三河など4国内に及んだ。信濃国木曾地方も無高の藩領で,豊富な木材資源が藩財政を助けた。支藩は高須藩。幕末に付家老成瀬氏の犬山,竹腰(たけのこし)氏の今尾が分離して立藩した。初代義直は1645年(正保2)に高概(たかならし)と藩士知行所の総割替えを実施し,2代光友も世禄制廃止などの諸改革を実施した。7代宗春の行った積極的な城下繁栄策は財政を悪化させ,後代,財政再建などの藩政改革をもたらした。9代宗睦(むねちか)のとき,代官の管地駐在制など地方(じかた)に対する改革を行い,藩校明倫堂を創建するなど儒学を利用した精神面の統治もはかった。幕末期には藩内で佐幕派と勤王派の政争がうまれたが,青松葉事件によって佐幕派は一掃され,藩論は討幕勤王に統一された。詰席は大廊下。廃藩後は名古屋県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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