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長岡遷都(ながおかせんと)

784年(延暦3)桓武天皇によって実施された平城京から長岡京への遷都。すでに782年4月,平城宮の造宮省を廃止した時点で,新京造営の構想があったとも考えられる。桓武天皇は784年5月に中納言藤原小黒麻呂(おぐろまろ)らを遣わして山背(城)国乙訓(おとくに)の地を視察させ,6月には藤原種継(たねつぐ)らを造長岡宮使に任命,同時に新京に宅をつくる有力官人に正税を下賜し,移住を奨励した。同年12月には天皇が遷御したが,こうした動きに反対する勢力も強く,785年には種継が暗殺され,皇太弟早良(さわら)親王の廃太子にまで発展した。長岡遷都には,平城京を拠点とする反桓武勢力一掃のねらいがあったとみられるが,また同時期に難波京を廃していることから,平城京と難波京を統合した新たな性格の都城の出現をも意味した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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