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内大臣(ないだいじん)

�@古代の官名。令外官。天智朝で死去直前の内臣(うちつおみ)中臣鎌足に恩典として藤原姓と大織冠・大臣位を授け,藤原内大臣と通称した。光仁朝では,藤原良継が内臣から,藤原魚名(うおな)が内臣から忠臣をへて内大臣に任じられたが,これらは第四の大臣または員外の大臣(数外大臣(かずのほかのおとど))として太政官内に位置した。のち醍醐天皇の外祖父藤原高藤が任官して以来この性格が定着し,急速な昇進をする摂関家子弟や宿老の大納言などが任じられた。左右大臣が不参の場合,政務・儀式を代行した。�A内府(ないふ)とも。近代の宮中にあって天皇の常侍輔弼(ほひつ)にあたる官職。1885年(明治18)12月,内閣制度の確立に際して宮中に設置。初代内大臣は三条実美(さねとみ)。国務について輔弼にあたる国務大臣と異なり,御璽(ぎょじ)・国璽の尚蔵(しょうぞう),常侍輔弼,宮中顧問官の総括(のち宮内大臣の管轄となる)などを職務とした。1908年内大臣府官制施行により詔書・勅書・内廷の文書などの事務が加えられた。はじめは名誉職的官職であったが,1930~40年代には政権交代に際して重臣会議を主宰するなど,天皇の側近として後継首相の推薦に政治的影響力をもった。敗戦後の45年(昭和20)11月に木戸幸一を最後に廃官。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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