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年分度者(ねんぶんどしゃ)

年料度者・年分学生(がくしょう)・年分とも。年ごとの定数枠が定められた得度者。696年(持統10)の10人が初見。選考基準は734年(天平6)に法華経か最勝王経の諳誦,礼仏,浄行3年以上と定め,798年(延暦17)教学試験を加える。803年には法相(ほっそう)・三論各宗5人という宗ごとの定数枠(宗分)となり,806年(大同元)には最澄(さいちょう)の上表で南都六宗と天台宗について計12人,ついで835年(承和2)真言宗分を加えて全8宗がそろった。一方,824年(天長元)の高雄山寺の1人を初例として,海印寺・嘉祥寺など寺ごとの枠(寺分)を設置し,総定数は増加の一途をたどった。10世紀後半以降,得度制自体が国家管理から離れていくにつれ無実化した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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