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年紀法(ねんきほう)

年序法とも。一定の年数の経過が権利関係に一定の効果をもたらす,近代法の時効に似た中世武家法の法理。基準となる年数を年紀または年序という。代表的なものは,所領や所職(しょしき)の不知行が20年にわたると知行回復の請求権が否定される知行年紀の制。年紀法は,ほぼ1世代の時間経過によって,以前の古い由緒の効力を否定する制で,本来は武家法の法理と考えられ,寺社・本所には適用されなかった。しかし過去の裁定の効力を保護する不易法との関係から,しだいに公家法にもとりいれられるようになった。中世後期には,所領所職・知行の由緒がおもに文書によって表現されたため,本来の年紀のほか,不知行の不動産物権文書の有効期間をも意味するようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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