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忍性(にんしょう)

生没 1217.7.16~1303.7.12 鎌倉中・後期の真言律宗の僧。字は良観房。鎌倉極楽寺の開山。叡尊(えいぞん)の弟子。大和国生れ。父は伴貞行。大和国額安寺で出家し東大寺で受戒したのち,1245年(寛元3)叡尊に別受戒をうけ比丘(びく)となった。年少より行基(ぎょうき)を思慕し,文殊を深く信仰して非人救済に尽くした。52年(建長4)関東に下向し,常陸国三村(みむら)寺を活動の拠点とした。61年(弘長元)鎌倉に入り,北条氏の帰依を得て授戒活動を活発に行った。67年(文永4)招かれて極楽寺開山となった。その宗教活動は授戒とともに,療病院・癩宿などの救済施設を造り,道路・橋梁などの土木事業を行い,そのための津料・関銭徴収権を得るなど社会事業的な面があった。幕命で攘夷や雨乞い祈祷を行うなど,真言修法と戒律が兼修されていた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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