日本町(にほんまち)
17世紀初期,東南アジア各地の都市内部につくられた日本人居住区。日本人の東南アジアへの進出はすでに16世紀にみられるが,朱印船貿易により各地へ商人をはじめとする日本人の渡航・定住が促進された。この結果,朱印船の渡航地であるマニラのディラオ(フィリピン),ツーラン(ベトナム),プノンペン(カンボジア),アユタヤ(タイ)などに日本町が成立した。日本町は貿易を中心として繁栄したが,武力をもって傭兵的役割をもはたし,なかには山田長政など現地の政権に重用される者も現れた。しかし1635年(寛永12)江戸幕府が日本人の海外渡航を禁止して以後衰退した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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