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日本人移民排斥問題(にほんじんいみんはいせきもんだい)

アメリカ政府が中国人移民排斥法を制定した(1882)のち,日本人移民労働者が中国人に代わる安価な労働力として歓迎され,とくにカリフォルニア州に多数流入した。やがて経済上の競合を恐れた白人労働者から,日本人移民排斥の声があがる。20世紀初頭,排斥運動は組織的になり,日露戦争での日本の勝利後は黄禍(こうか)論も加わり,やがて連邦政府の対日移民政策に影響を及ぼすようになる。1908年(明治41)の日米紳士協約により日本政府は労働者移民の出国を禁止するが,カリフォルニア州の排斥の風潮は沈静せず,州議会からの圧力をうけた連邦政府は,ついに1924年新移民法を制定,これにより日本からの移民の入国は不可能となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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