日本銀行(にほんぎんこう)
1882年(明治15)10月,日本銀行条例により設立・開業した中央銀行。大蔵卿松方正義は81年から紙幣整理を行って正貨兌換制にもとづく近代的貨幣制度を樹立するとともに,金融制度の整備をめざした。これは日本銀行を唯一の発券銀行とし,銀行の銀行として銀行制度の頂点に立って,商業金融の中枢とするという構想だった。しかし実際には90年恐慌時に産業金融に深くかかわったのを発端に市中金融に介在し,恐慌時には各種の救済を行い,戦時には国債の引受け・発行にかかわるなど,特有の役割をはたした。第2次大戦下の1942年(昭和17)に日本銀行法が制定され,管理通貨制度のもとでの財政金融政策運営の核として位置づけられ,戦後も経済の中心にいる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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