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日清戦争(にっしんせんそう)

1894~95年(明治27~28)に主として朝鮮の支配をめぐって戦われた日本と清国との戦争。日本は早くから朝鮮への進出を意図したが,壬午(じんご)・甲申(こうしん)両事変で清国の朝鮮での勢力が拡大すると,対清戦争準備および朝鮮に対する保護の準備を進めた。94年に朝鮮で甲午(こうご)農民戦争がおこり清国軍が鎮圧のため出兵するや,日本軍も出兵。日本は欧米各国の動向を見守りつつ,日清両国による朝鮮の内政改革を提案し,清国の拒否にあうと単独改革を主張し,清国との戦機を求めた。7月16日日英通商航海条約を調印するや,日本軍はただちに王宮を占領し,豊島沖で清国軍艦を攻撃し,8月1日に宣戦布告した。装備・訓練にすぐれた日本軍は,指揮・装備の不統一な清国軍を圧倒。制海権の争奪をめぐる黄海海戦で勝利し,朝鮮半島の成歓・平壌の戦に勝ち鴨緑江(おうりょっこう)を渡り,遼東半島に進出した。95年2月威海衛を攻めて北洋艦隊を全滅させ,3月には遼東半島を完全に制圧した。また朝鮮では再蜂起した農民軍を鎮圧し,甲午改革によって朝鮮の保護を推進した。ここに欧米各国も講和の斡旋に動き,とくにアメリカの仲介で3月下旬から講和会議を下関で開いた。4月17日に日清講和条約が結ばれたが,直後に三国干渉のために遼東半島をやむなく放棄。また朝鮮の従属化をめざした甲午改革も,三国干渉直後のロシアの朝鮮進出もあり挫折した。日本の動員兵力約24万人,戦費2億余円。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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