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日華和平工作(にっかわへいこうさく)

日中戦争のほぼ全期間を通じて行われた日中間の和平工作。盧溝橋(ろこうきょう)事件直後,日本政府は元外交官の船津辰一郎を介して,大幅な譲歩を含む和平条件を提示しようとしたが,第2次上海事変の勃発によって挫折した。ついで第三国とくにドイツの和平仲介(トラウトマン和平工作)に期待がよせられたが,南京陥落後和平条件が加重され,打ち切られた。局面打開の機会は宇垣・孔祥熙(こうしょうき)工作にゆだねられた。工作の失敗後,交渉は正式な外交ルートを外れ,汪兆銘(おうちょうめい)工作によって汪政権が成立して,桐工作・銭永銘(せんえいめい)工作などすべて挫折した。以後の和平工作は,戦争末期の終戦工作として繆斌(みょうひん)工作が行われたにすぎなかった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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